有名列車に隠れる「汎用特急」に乗って大阪まで懐かしさ漂う旅へ
風情や歴史を感じさせる列車旅
■近鉄特急で奈良県へ
近鉄特急というと豪華観光特急「しまかぜ」や個性的な特急である「伊勢志摩ライナー」「アーバンライナー」、2階建ての「ビスタEX」などが有名で、そうした列車には好んで乗ってきた。しかし、その陰に隠れ地味ではあるが多数派といえる「汎用特急」には、あまり乗って来なかった。今回は、奈良県内の大和高田まで出かけようと思い、調べてみると、手前の大和八木まで近鉄名古屋駅から、名阪乙特急を利用するのが便利なので、汎用特急、近鉄名古屋発大阪難波行きに乗車した次第である。
名阪特急といえば、三重県の県庁所在地である津に停車する以外は、大阪市内の鶴橋までノンストップの「アーバンライナー」が脚光を浴びている。しかし、桑名、四日市といった主要都市の駅にこまめに停まっていく乙特急が1時間に1本程度走っているのだ。車両も雑多な新旧取り混ぜた編成で、どんな車両に当たるかは分からない。そうした期待と不安が入り混じる中、あらかじめネットで予約して、東海道新幹線で東京から名古屋へ向かった。